Thinking Women

Written by Shashank Lele in 1994-5 Translated by Yoshida Mitsuko

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Location: 京都市, 京都府, Japan

December 10, 2006

第1章(2)

スサントは範子を好かなかった。これには驚いた、というのもスサントが誰かによそよそしくしているのを見たことがなかったからだ。スサントは外国人好きで、彼らを喜ばすためなら羽目を外すことも厭わないと学生達は言っている。本当かどうか分からない。私は茶店に何時間もくつろいで、彼が皆をもてなすのを観察した。その中には、ボルプールで一日たっぷり働いた後、帰宅の途中にお茶を飲みに寄った近村の貧しいかぎりの老女たちもいた。スサントは、いつも客に後払いでいいと言う。彼は人々と会い、彼らの話を聞くためだけにあの店を経営しているのだとしか思えない。

だが、スサントは範子を好かなかった。範子は現実的だからと言う(彼が使った「マトラビ」というベンガル語の形容詞は、文字通り訳せば「利己的」なのだが、言いたかったことは分かる)。スサントは現実的な人間を好かない。さげすむのだ。

私は、範子のこの現実的な面に興味を持った。外国人、特に若い女の大半がシャンティニケタンに来て、現実的であることを公然と非難する。その時々で、それを実用主義、消費主義その他色んな名前で呼んだが、とにかく皆、そういうのには断固反対で、本質において精神的なことや神秘的なものや何かそんなようなものを好んだ。そして現実的にならないよう身を粉にした。

範子は面白い。彼女は精神的な問題と実際的な問題を注意深く切り離す。瞑想やらマザーテレサについて話した後、すばやく切り替えをして、菓子屋の主人が間違って半ルピー多く取った、などと議論し始めることができるのだ。

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