Thinking Women

Written by Shashank Lele in 1994-5 Translated by Yoshida Mitsuko

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Location: 京都市, 京都府, Japan

January 27, 2007

第3章(2)

「お元気?」

スロチャナだった。絵画の修士課程にいる女だ。シャンティニケタンのこういった茶屋には客ごとに別々のテーブルがあるわけではない。通常2つの細長いテーブルが、調理場となっている萱葺小屋の外にばらまかれていて、そのテーブルの両側には、客が座れるように長いベンチが据えられている。私的な会話がしたい時は、運河の向こうの森か、「ディア・パーク(鹿公園)」に行かなければならない。

「元気だよ」

「リサはどこ?」

「裏で山羊と話してるよ」

「あなたがた、もう結婚したの?」

スロチャナははっきり物を言う方だ。シャンティニケタンの多くの人間がこの質問をしたくてうずうずしていたのだが、声にならないのだった。

「気をもむなよ、いずれするから。範子に会ったことはあったかな? 外国人短期コースでベンガル語を勉強しているんだ」

「よろしく、範子さん。運河の近くでインド人のボーイフレンドと一緒にいるのをよく見かけるわ。この2週間は運河を描いているの」

この女に自由にしゃべらせたら何を言い出すか分からない。スロチャナがこれ以上しゃべる前に話をそらさなければ。

「スロチャナ、ショーメンダ教授の壁画の展示会に行った? 昨日開始されたけど」

「あら、知ってるわ。私は美術学部の学生ではなくって? ショーメンダ教授は全くひどい男よ。ひどい男の作品なんか見たくないわ」

「ひどい男が良い芸術家ってこともありえる」

「絶対ない」

「スロチャナ、絶対主義は最大の罪だよ。芸術を学ぶ君のような学生が善悪を定義づけて話し始めるなら、このさき世界に何が起こるか不安だね」

スンヌが再び別の会話から自由になり、聞き入っていたのを知らなかった。

運河の先にある森で範子がしたことについてのスロチャナの話題を変えるのに成功したた後は、私は黙ってもよかった。しかし、私もショーメンダが好きではなく、彼をそしる材料がもっと欲しかったのである。

「何故、好きではないの? ショーメンダを」最後の言葉の音量を下げながら尋ねた。

「ショーメンダが好きでないのは」とスロチャナは大声で言った、「彼が白髪を染めているからよ」

「それはひど過ぎるよ」とスンヌ。「優雅に年がとれないとしたら、それはただ自信が欠けているからだけなんだ。自信のないことは罪ではないよ、スロチャナ」

「スンヌ、あなたはカラバヴァン(美術学部)について何も知らないわね。ショーメンダは、授業中私のキャンバスの前に2分以上留まることはない、というのも私が30近い年齢で眼鏡をかけてるからよ。今年、マニプールから1人の女の子が入って来た。そう、いつもミニスカートをはいてる子よ。あの娘ったら、絵筆の番号の違いも学んでないのに、ショーメンダから集中講座を受けているのよ。彼の孫娘でさえ彼女より年上じゃないかしら?」

「私はショーメンダをとても尊敬するわ。彼の家では何回もお茶をよばれているの。 インドの哲学者について話す時は、インドのカレンダーに載っている聖人たちと見まがうほどだわ」

範子はいつもながら何を言うにも、全く動じない信念をもって言うので、その後は皆、何を口に出していいか迷ってしまうのだ。

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