Thinking Women

Written by Shashank Lele in 1994-5 Translated by Yoshida Mitsuko

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Location: 京都市, 京都府, Japan

June 21, 2007

第10章(1)

範子は太った。1月から11キロ増えたそうだ。あまり外出しないらしい。日に14時間眠り、食べ、そして残りの時間考える。

彼女は考え続けている。考えに考えている。その間に東京の男があきらめて、婚約を解消することに同意した。範子の両親は、彼が結婚のために払った結納金100万円を返した。そして慣習として、もう100万を違約金として払った。私は、この罰金を、今すぐは無理にしても時間をかけて、両親に負担をかけないためにも、範子が自分で支払うべきだと提案した。東京の男は容易に承知しただろう、と私もリサも推測した。それで罪の意識が少し軽くなるだろう、と範子に言った。しかし、彼女は私達の提案にいちいち首を振って頷くが、公約したり努力を要する事柄には滅多に腰を上げない。

範子はプリヨも同じくキャンセルした。何故だろう? 何故だかあまり分からない。彼は、ボンベイ近くのリゾート地、カダラに仕事を見つけた。そして範子に、すべてを捨てて、インドに来るよう手紙を書いてきた。結婚して、永遠に幸せに暮らそうと。だが、範子は承諾しなかった。インドに住みたくないのだ。

「1、2年後に、彼が私に飽きたらどうするの?」

リサに言った。

「それに、私の家族は絶対に外国人を受け入れないわ。はっきり言ってるの」

ある日、範子はプリヨが彼女の決断を知った後に書いた手紙を見せに来た。

「プリヨのベンガル語はとても難解なの、読むのにリサ子さんの助けがいるの」

と電話で言った。

手紙は典型的な類のもので、プリヨが日本製の車に飛び込んで自殺未遂をしたことが述べられていた。

「何て悪い人間なの、ああ私って、何て悪い人間なの」

リサが1行読むごとに範子は大声をあげた。

「彼女は美しい悲劇のヒロインを演じているのよ、日本のテレビドラマにあるような」

範子が去った後すぐリサは断言した。

「何でそんなに確信があるんだ? メロドラマを演じるにも少しばかりの脳味噌がいるんだよ」

と尋ねた。

「彼女はあの手紙が読めるのよ、ほかの誰もが読めるようにね。ただ見せびらかしたかっただけなのよ。自分が拒絶したために、一人の男が自殺を企てようとするなんて、明らかに宣伝したいようなことでしょう」

「でも彼が本当に自殺を企てたと思う?」

「それはまた別の問題。とにかく、範子は日本では何者でもなかった。インドに行った後、自分が何らかの価値を持ち得ると悟ったの。私がバングラデシュに行った時、同じ様な経験をしたわ。向こうでは決まってお姫さまか何かみたいに扱われた。それがリサ子という私自身と何も関係がないと分かるのに時間はかからなかった。あそこの人達にとって日本はある意味で地上の楽園であり、その楽園出身のものは誰でも天使なのよね。このことが範子の頭に宿ったのよ。インドに行った後、東京のサラリーマンと結婚するなんてことは、わがヒロインにとってあまりにも精彩を欠くことになってしまたのよ、きっと」

「ワカリマシタ。でも何故プリヨまでをキャンセルしたんだ? 大いなる冒険の幸福な結末じゃないか?」

「プリヨとの結婚は混乱を招くのよ。彼は金持ちじゃないでしょ。日本に来ればただ普通の仕事に就くだけでしょう。範子の足はもう地にに着いていないの」

「それではスサントが正しかった。範子はずるいんだ」

「確かにそうだわ。ただ、前は控え目でもあった。自分の限界を知ってたしね。今は何が起こるか分からないわ。あの子、なんかおかしくなっちゃった」

リサは一度ならず、女だからという理由だけで私が範子に興味を持っているのだろうと責めた。若い女というだけで。

「彼女が男だったら、あなたは2日で彼女との会話に退屈してくるわ」

それは全くの誤りではない。範子と2時間ぐらい話して過ごすと、疲れてくたくたになってしまう。範子の英語の聞き取り能力は乏しく、比喩的なことは全然理解出来ない。ゆっくり話さなければならず、100回と繰り返さなければならない。しかし、私は彼女に対する興味を失わない。彼女の訪問を楽しみにさえしているのだ。

それについて考えた。リサは正しいかもしれない。胸に二つの乳房をつけている者なら誰でも私は我慢することができる。私は臆病なだけでなく、女好きでもあるのだ。

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