Thinking Women

Written by Shashank Lele in 1994-5 Translated by Yoshida Mitsuko

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Location: 京都市, 京都府, Japan

July 07, 2007

第13章(1)

ジョンはウッディ・アレンを思わせる。恐らく眼鏡のせいだろう。アメリカでの生活が生き詰まり、ここに来て英語を教えている。

日本は手ごわい。ブロンドの髪と青い目にお金を出す。好奇心から一夜を共にしてくれることもある。だけど友達にはなってくれない。心を開いて話してくれない。手ごわいのだ。

ジョンは落ち着いた生活が欲しい。情緒的な安定が欲しい。金も欲しい。アメリカ人は非凡な人種である。何が欲しいのかを雄弁に語ることができるのだ。

しかし、日本は冷淡だ。股は開かれているかも知れないが、心は閉ざされたままだ。

そしてガイジンの女たちにとってはさらに手ごわい。彼女たちには金はもっと支払われる。陰気な奴らに微笑みかけ、匂いを嗅がせてやるのを仕事と呼ぶことが出来るなら、仕事は毎日数分であり、国に帰って修士コースに行くだけの金を十分貯えることが出来る。しかしながら、すぐ、独特の精神不安が始まる。空虚な夕方が、日一日と彼女たちを弱らせ始める。これまでの人生について反省する時間、吐いて捨てるほどたくさんの時間を持ち始める。過去の過ちについて、突然全く空白に見え始めた将来について。

思春期の頃同様、目覚めが遅くなり始める。日毎に上がってゆく円の為替レート以外は何も楽しみに待つものはない。男がいなくて淋しいと思い始める。それもひどく。それは、平和時の任務で、どこか変な島に配置され、どうにもならない兵士のようなものである。軍隊では少なくとも時折、お祭り騒ぎが催される。ここの女の子たちにはそれさえないのだ。ただ貯金高が跳ね上がって行くだけ。

男の子たちにはウイスキーがあるし、日本には、「イケイケ女」がたくさんいる。女の子たちは午前中、そして昼を寝て過ごす。寝返りをうち、子供のような泣き声を出す。最大音量のロックミュージックでさえ、神経を落ち着かせることが出来ない。彼女らは念をいれて顔や体を洗い、食べる。ラッキーなことに仕事は4時に始まる。しかし、まだ7時にもならないというのに、もう一日が終わる。なんてことだ。

頭が空っぽの人たちは得だ。文化の違いなどが、かなり長く彼女らを魅惑し続ける。バンクーバーやパースやオマハにいる姉妹に長い手紙を書き、奇妙な日本の習慣について、故郷とどんな風に異なるか、その違いにどれほど驚いたか、などを書き送るのである。

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