Thinking Women

Written by Shashank Lele in 1994-5 Translated by Yoshida Mitsuko

My Photo
Name:
Location: 京都市, 京都府, Japan

July 15, 2007

第14章(2)

範子や他の人たちと私の関係がリサを苛立たせる。口論では私ばかりが勝つ。それは第一に私たちが常にリサの十分に使いこなすことのできない言語で話すからであり、第二に、そしてもっとひどいことに、私はリサが変わる以前に持っていた彼女の意見からいつも何か引き合いに出してくることが出来るからである。

このこと全体が彼女をくたくたにしている。私たちは前より頻繁に口論している。

父親のせいで、口論は彼女にとって非常に辛いことである。リサは私の他に何人かの男性と親しかったことがあるが、すべて短い期間であった。私が思うに、彼女がこれまである程度の期間一緒に住んだことのある唯一の男は、今のところ父親だけである。恋人とは、喧嘩や意見の食い違いが始まる段階に至るほどの期間、落ち着いて住んだことがなかった。

父親とは、多分、意見の食い違いがあっただろう。妻と2人の娘という3人の女性が住む王国で威張り散らしているこの男は、独特な方法でかんしゃくを表した。

ある時はリサが言うことをきかなかったので、彼はリサの子猫を二階の窓から投げ捨てた。また彼はハサミを自由自在に用いる。子供達が聞いている音楽の音量が高すぎると思うと、すぐにコードを切った。リサが学校の友達とあまり長く電話で話していると、ハサミが再び効力を発揮した。神戸の家では、電気の接続部分がすべて、継ぎ接ぎだらけである。

彼はノートを破り、カメラやテレビのようなものを地面に投げつけた。子供達を殴ることはなかったが、彼女らに楽しみをもたらす物は何でも素早く破壊した。

話をしていて誰かが私の言うことを聞き取れなくて、いま言ったことをもう一度繰り返さなければならないというのを私は嫌う。レストランでウエーターに注文を繰り返すことほど厄介なことはない。

「父の言うことが聞こえなかった時は、いつでもひどいことになったわ。彼は繰り返すことが嫌いで、しかも、私達が返事をしないと怒り狂った。あなたが同じことをする時とても恐ろしくなるのよ。あなたの中に自分の父を見始めるの」

「僕が君の父親とは似ても似つかないことは知ってるだろ」

「ええ、でも父も私が小さかった時は、あんなんじゃなかったわ」

リサには相手の言ったことの意味を理解する前に、その声の響きに応じる癖があった。それで私は混乱したものだった。彼女の「ええ」を聞いた後、私は話を最後まで続けるのであるが、最後に(礼儀正くではあるが)最初の部分をもう一度繰り返すよう頼まれることが常だった。

「日本の言語あるいは会話の構造は、文の始めにあまり重要でない言葉がたくさんくるようになってるの。それは聞き手の注意を喚起するという役割を果たすのよ。そして意味のある部分は、真ん中と最後だけ。私が英語で困るのは、だいたい英語では、最初の言葉自体が文の流れを決めてしまうからなのよ」

これは、一番もっともらしい説明だった。インドでしばらくのあいだ宮廷言語として使われたウルドゥー語にも同じような「意味のない言葉」があるのを私は知っている。

専制政治が行われた国の言語は、すべてこのように発展するのだろうか。言葉が伝達のために使用されない言語、つまり安全に進むことができるよう請願し、懇願するために使われる言語。専制君主の怠惰な耳にぴったり合わなければならない言語。意味内容ではなく、言葉の雰囲気や語調に注意深く反応しなければならない言語。

幸いなことに、私たちは喧嘩について話すことが出来る、それが解決した後でも。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home